ジュニアNISAが新規終了したと聞いて、子どもの口座にある保有資産が今後どうなるのか心配になっている保護者の方は多いはずです。この記事では、既存資産の取り扱いルールと、新しく始まる「こどもNISA」との関係性を順を追って整理します。

この記事の結論

旧ジュニアNISAは制度が終了しており、新しく商品を追加購入することはできません。ただし、5年間の非課税期間が満了した資産は、自動的に「継続管理勘定」へと移管されます。

この継続管理勘定にある資産は、子どもが18歳を迎える年の年末(12月31日)まで非課税のまま保有を継続できます(※1月1日・2日生まれの場合は18歳を迎える前年の年末まで)。その後、成人を迎えるタイミングで課税口座へ払い出されます。

なお、現在は口座内の「全額」であれば、理由や子どもの年齢を問わず非課税でいつでも引き出しが可能です。旧ジュニアNISAの資産を新設の「こどもNISA」へ直接移し替えるロールオーバー制度は用意されていません。

今後の対応は、18歳を迎える前にその資金を使う予定があるかどうかによって分かれます。

  • 18歳まで使う予定がない家庭:特段の手続きは不要。そのまま非課税で保有し続ければ十分
  • 18歳未満のうちに教育費等で使いたい家庭:必要になったタイミングで口座ごと全額を引き出す
  • 子どものために新規で積立を再開したい家庭:2027年開始の「こどもNISA」を別口座として活用する

なお、新しく始まる「こどもNISA」は0〜17歳を対象としたつみたて投資枠の通称であり、2027年1月1日からスタートします。

子どもが18歳に近い家庭は課税口座へ移る時期へ。

「ジュニアNISA終了」で保有分が不安になりやすい理由(過去の厳格な払出し制限の印象)

不安を感じるのは自然ですが、制度廃止に伴い、現在はいつでも非課税で出金できるようルールが緩和されています。

「終わってしまった口座の資産をどうすればいいのか」と焦ってしまう理由は明確です。以前のジュニアNISAに存在した厳しい出金制限の印象が強く残っているためですが、現在の運用ルールを知っておけば慌てて売却する必要がないと分かります。

制度廃止に伴い、現在は理由や年齢を問わず非課税で払出し可能

かつてのジュニアNISAは、18歳まで原則引き出せないという強い拘束がありました。しかし金融庁の公式発表通り、制度廃止に伴い現在は「年齢や事由に関係なく、非課税での払い出しが可能」に変更されています。

今解約して全額を引き出したとしても、過去の利益に遡って課税されるペナルティはありません。

新規買付は終了したが、既存の保有資産は非課税のまま維持できる

制度が終了したのは「新しい枠で買い付けること」についてであり、口座内の既存資産まで消滅してしまったわけではありません。買い付け済みの商品は、引き続き非課税の恩恵を受けながら保有できます。

新設される「こどもNISA」とは別個の独立した制度

2027年から始まる「こどもNISA」は未成年向けつみたて投資枠の通称であり、旧ジュニアNISAとは法律上完全に別の制度です。

名前が似ているため延長戦のように見えますが、両者の資産は自動的に合体するわけではありません。詳しい関係性はこどもNISAとの関係で解説します。

旧ジュニアNISA保有分の今後の行方(継続管理勘定で18歳年末まで非課税保有が可能)

期限を迎えた資産は「継続管理勘定」へ自動移行し、子どもが18歳を迎える年の年末まで非課税で保有できます。

保有資産が今後どのようなスケジュールで推移するかは下表の通りです。

ジュニアNISA保有資産の推移と課税ルール
タイミング保有資産の取り扱い利益に対する課税
購入から5年の非課税期間満了時 「継続管理勘定」へ自動で移管される 非課税のまま(税金はかからない)
18歳を迎えた年の翌年1月1日 継続管理勘定から課税口座へ自動で払い出される 移行後に新しく増えた利益に対してのみ課税
途中で全額を引き出すとき いつでも非課税で出金可能(口座は解約される) 非課税のまま(税金はかからない)

出典:金融庁「2023年までのNISA」/e-Gov法令検索 租税特別措置法37条の14の2(2026/10/23時点)

※課税口座へ移る基準は、子どもが「その年の1月1日時点で18歳である年」です。非課税保有ができるのは18歳を迎える年の年末までとなります(1月1日・2日生まれは前年の年末まで)。

非課税期間満了後は「継続管理勘定」へ自動移管される

ジュニアNISAで買い付けた資産は、当初の5年間が過ぎると自動的に「継続管理勘定」という非課税枠へ移されます。手続きのために書類を提出する必要はありません。

新規買付は不可だが、18歳を迎える年の年末まで非課税運用を継続できる

継続管理勘定の中で新たな商品を追加購入することはできませんが、子どもが18歳を迎える年の年末までは、配当金や売却益が完全に非課税のまま運用を続けられます。

18歳到達年の翌年1月1日以降、課税口座へ自動払い出しされる

子どもが18歳を迎える年の年末を過ぎると(その年1月1日時点で18歳である年の1月1日)、継続管理勘定の資産は特定口座などの課税口座へ自動的に払い出されます。

この際、払い出された時点の時価が新しい取得価格として設定されるため、ジュニアNISA期間中に増えた利益に税金がかかることはありません。税金が発生するのは、課税口座へ移った後にさらに値上がりした利益分のみです。

すべての期間が満了した口座は、手続き不要で自動解約される仕組み

全資産が課税口座へ払い出され、すべての非課税期間が満了した旧ジュニアNISA口座は、所定の手続きなしで自動的に廃止(閉鎖)されます。

旧ジュニアNISAから新「こどもNISA」へのロールオーバー(移管)は不可

こどもNISAは新しい資金で積み立てを行う制度であり、旧ジュニアNISAの残高を受け入れる規定はありません。

2027年開始予定の「こどもNISA」に関する法規はすでに公布されていますが、旧制度からの直接移管ルートは用意されていません。

法令上の受入規定がなく、こどもNISAへ直接移すことはできない

こどもNISAへ拠出できるのは、定期的な積立契約に基づいて購入する投資信託等に限られています。旧ジュニアNISAで保有している株式や投資信託をそのままこどもNISAへ移すことは制度上認められていません。

継続管理勘定の満了後の移管先は、新NISAではなく課税口座

非課税期間が終了した際の着地点はあくまで一般の課税口座(特定口座など)であり、自動的にこどもNISAへ移るわけではありません。

※18歳を迎えて課税口座へ移るタイミングで、同一金融機関内に成人向けNISA口座が自動開設される特例は一部存在します。

全額出金が自由な旧ジュニアNISAと、払出制限のある新こどもNISAの違い

現在の旧ジュニアNISAは、全額であればいつでもペナルティなしで現金化できます。一方、新設される「こどもNISA」は原則12歳まで引き出せず、12歳以降も使途が教育費等に制限されます。

同じ未成年向け口座であっても流動性の扱いが大きく異なるため、混同しないよう注意が必要です。

保有継続か解約・出金かの判断基準(目先の値動きではなく「資金の必要時期」で判断)

18歳まで使わないならそのまま保有し、それ以前に教育費が必要になるなら全額引き出しの時期を決めます。

どちらを選ぶべきかは、子どものための資金をいつ使う計画なのかによって判断が分かれます。どちらを選択しても税務上のペナルティはありません。

18歳以降まで使う予定がない場合は、そのまま保有継続で問題ない

高校卒業や大学進学まで手を付ける予定がないなら、何もしないでそのまま放置しておくのが最も合理的です。非課税期間が切れると自動で継続管理勘定へ移り、非課税運用のメリットを最大限に享受できます。

途中で教育費等に充てる場合は「全額払出し」のタイミングを計画する

中学・高校進学などでまとまった費用が必要になった場合は、口座から出金して学費に充てることができます。

ただし、ジュニアNISAは「一部だけ売却して一部だけ出金する」という使い方はできず、引き出す際は口座内の全額を一括で払い出して口座自体を解約する形になります。

全額解約しても過去の運用益に遡及課税される心配はない

制度改定により、18歳を迎える前であっても全額出金時の課税ペナルティは撤廃されています。出金の理由を問われることもないため、安心して必要な時期に現金化できます。

課税口座移行後は、移行時点の時価から増えた利益のみ課税対象となる

子どもが18歳を迎えて課税口座へ移った後も、すぐに売却せずそのまま保有し続けることが可能です。

課税口座へ移った時点の時価が新たな元本とみなされるため、ジュニアNISA時代に増えた含み益を非課税で確定させた状態で、課税口座での運用へシームレスに移行できます。

既存資産の整理後は、新「こどもNISA」での新たな積立を検討しよう

旧ジュニアNISAの保有分と、これから積み立てる新しい資金は切り離して計画します。

口座のある証券会社で、残高と課税口座移行時期を一度確認しておく

まずは現在ジュニアNISA口座を開設している証券会社にログインし、「現在の評価額」と「子どもが18歳を迎えて課税口座へ移る年」の2点をメモしておきましょう。確認さえ済ませておけば、あとは自動で非課税運用が続きます。

未成年名義の新規積立は、2027年1月開始の「こどもNISA」を活用する

子どもの名義で新しく毎月の積立を行いたい場合は、2027年1月1日から始まる新「こどもNISA」を活用することになります。

開始日以降はいつでも口座を開設できますので、家計の状況に合わせて焦らず準備を進めていきましょう。

次にやること

ジュニアNISAの分の扱いが決まったら、次はこどもNISAの仕組みを一度だけ確認しておきます。

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品の購入を勧めるものではありません。制度や各金融機関のサービス内容は変更される場合があります。最新の情報は金融庁および各金融機関の公式サイトでご確認ください。