0歳から毎月コツコツ積み立てた場合、子どもが18歳になるまでにいくら準備できるのか、まずは具体的な試算データで把握しておきたいですよね。こどもNISAは未成年者向けつみたて投資枠の通称であり、2027年1月1日からスタートすることが法律で決定しています。
この記事の結論
0歳から毎月10000円を積み立てたケースを試算しました。期間は18年間(216か月)で、元本総額は216万円となります。
年率利回りを3パターン仮定した場合、18年後の資産受取額は次のようになります。
- 年利0%(元本そのまま):216万円
- 年利2%想定:約259万円(運用益+約43万円)
- 年利4%想定:約313万円(運用益+約97万円)
※上記利回りは試算上の仮定であり、将来の運用利回りを約束するものではありません。相場環境によっては元本を割り込む場合もあります。
教育資金の計画を立てる際は、まず「利回り0%(元本のみ)」の数字で目標に届くかを検証するのが安全です。運用益はあくまで「増えていたらありがたい上乗せ」として捉えておきましょう。
なお、18年間積み立て続けても未成年上限枠(600万円)に到達しない月額の上限は毎月27777円です。これを超えるペースで積み立てると、18年を迎える前に途中で枠の上限に達します。
シミュレーションによって将来の資産額が異なる理由(想定利回りの設定差)
どの試算も「特定の利回りを仮定した計算結果」にすぎず、前提とする利回りが異なれば将来の受取額も大きく変動します。
サイトやパンフレットによって18年後の試算額がバラバラなのは珍しいことではありません。計算ミスではなく、置いている利回りの前提条件が異なるためです。
単一の利回りだけで試算すると、その想定次第で結果が極端にブレてしまう
利回りを1つに固定してシミュレーションを行うと、提示される金額も1つだけに絞られます。しかし将来の利回りを事前に正確に予測することは不可能です。
そのため本記事では、リスクの幅を正しく認識できるよう、利回りを3パターンに分けて検証しています。
想定利回りはあくまで長期間の年平均。実際には毎年の価格変動や元本割れもあり得る
シミュレーションで用いる利回りは、全期間を平均して均した仮の数字です。実際の市場では価格が年ごとに激しく上下し、マイナスリターンとなる年もあります。
NISA口座内で運用する投資信託には元本保証がありません。
「元本」と「運用益」を区別して見ないと、相場頼みの不確実な資金計画になってしまう
合計金額だけを見ていると、その全額が確実に手に入る前提で進学プランを組んでしまいがちです。
確実に貯まる「元本」と、相場環境に左右される「運用益」は明確に分けて管理する必要があります。
想定利回り別(0%・2%・4%)の18年間積立シミュレーション
利回り0%の行が自己資金としての「元本」であり、他の行との差額が運用によって生み出された利益部分となります。
試算の計算前提条件は以下の通りです。
- 積立期間:0歳から18歳までの216か月間(18年間)
- 毎月末に定額を自動積立購入する
- 利回りは年利の均等複利計算とする
- 各種手数料、信託報酬、物価変動等は考慮しない
| 想定利回り(年率) | 18年後の資産総額 | 積立元本との差額(運用益) |
|---|---|---|
| 0%(元本のみ) | 216万円 | 0万円 |
| 2%想定 | 259万円 | +43万円 |
| 4%想定 | 313万円 | +97万円 |
出典:編集部試算(計算式は表の注記)(2026/10/23時点)
月々の積立額を20000円に増額した場合のシミュレーションは下表の通りです。
| 想定利回り(年率) | 18年後の資産総額 | 積立元本との差額(運用益) |
|---|---|---|
| 0%(元本のみ) | 432万円 | 0万円 |
| 2%想定 | 518万円 | +86万円 |
| 4%想定 | 626万円 | +194万円 |
出典:編集部試算(計算式は表の注記)(2026/10/23時点)
※本試算は将来の成果を約束するものではありません。万円未満は切り捨てて表記しています。
※月2万円・年利4%時の総額(626万円)は制度上限(600万円)を超えて見えますが、上限判定は買付元本(432万円)で行われるため制度上問題なく収まります。
利回り0%は元本そのままの数字。相場急変による元本割れリスクも念頭に置く必要がある
利回り0%の行は、相場がまったく増減しなかった場合の元本相当額を示しています。
市場環境によっては、解約時に元本を割り込んでしまうリスクも当然存在します。
利回りの仮定次第で受取額に大きな差が出るため、複数のパターンで幅を把握する
最も楽観的な年利4%の数字だけを前提に進路計画を立ててしまうと、目標利回りに届かなかった場合に大きな資金不足に陥ってしまいます。
過去の実績において長期分散投資が有効であったとしても、将来の成果が保証されるわけではないため、複数のシナリオを想定しておくことが大切です。
積立月額を増やすと、元本・運用益ともに比例して大きくなる
月額1万円と2万円の比較から分かる通り、積立元本が増えれば、複利で得られる運用益の金額も比例して拡大します。
こどもNISAの制度上限(生涯枠600万円)と払出し条件の注意点
0〜17歳までの累計投資額には上限があり、高校・大学進学時に活用するには法令上の払出し要件を満たす必要があります。
こどもNISAに関する関連法規はすでに公布済みです。試算に直結する重要なルールは以下の2点です。
| 項目 | 制度内容 | 決定状況 |
|---|---|---|
| 未成年の累計上限枠 | 最大600万円(買付時の元本価格で判定) | 法律・政令で決定済 |
| 12歳以降の払出し制限 | 子どもの教育費・生活費に限り、本人の同意書面を添えて払出可 | 法律・政省令で決定済 |
出典:金融庁 NISA特設ウェブサイト/財務省/国税庁(2026/10/23時点)
18年間積み立てても上限(600万円)に達しない月額の目安は約2.7万円
生涯上限の600万円を18年間(216か月)で均等に割ると、月あたり約27777円となります。この金額以内であれば、18年間の途中で上限枠が埋まってしまうことはありません。
なお、年間上限枠は60万円(月換算で最大50000円)と定められています。
高校・大学進学等の費用に充てる場合は、12歳以降の払出し要件を活用する
資産の引出制限は、高校3年生の年度末(3月31日時点で18歳を迎える年の前年末)まで続きます。
ただし、12歳(中学生)以降であれば、進学時の入学金や授業料といった教育費に充てる目的で所定の手続きを踏むことにより、制限期間中であっても必要資金を払い出すことが可能です。
18歳到達時に成人向けNISAへ自動移行するため、本試算は未成年期間のみを対象としている
18歳を迎える年の1月1日以降は、口座そのものが成人向けのNISAへと自動的に昇格します。本シミュレーションは、未成年期間である18年間の積立に絞って計算しています。
教育資金計画は「利回り0%(元本のみ)」を基準に設計するのが安全
運用益をあてにせず元本ベースで目標額を計算し、相場上昇による利益はプラスアルファとして捉えましょう。
元本ベースで目標額を組んでおけば、受取時の相場下落による不足ダメージを最小限に抑えられる
高い利回りを前提にしてギリギリの積立計画を立てると、進学のタイミングでたまたま相場が急落した際、学費が大幅に不足してしまいます。
利回り0%(元本のみ)で必要資金の大半をカバーできるように設計しておけば、仮に相場が低迷して元本割れが生じたとしても、資金不足の幅を最小限に食い止めることができます。
無理のない毎月の積立額の算出方法については、「NISA貧乏」にならない積立額の決め方も参考にしてください。
進学時期が近づいた資金から順次、預貯金などの安全資産へシフトしていくのが定石
使う予定の時期が間近に迫った教育費を、株式ファンドなどの価格変動リスクに晒し続けるのは危険です。
進学の数年前から、目標額に達した分をこどもNISA内で順次売却して専用勘定(現金)へ移しておくなど、出口戦略をあらかじめ意識しておくと安心です。
開始年齢が上がると積立期間が短くなるため、家庭ごとの期間に合わせて再計算が必要
制度スタート時点で子どもがすでに数歳になっている場合、18歳までの運用期間は18年よりも短くなります。
期間が短縮される分、到達できる元本も小さくなるため、残りの年数に応じた現実的な積立プランを再計算しましょう。
児童手当は年齢によって受取額が変動するため、専用のシミュレーションを活用する
児童手当は子どもの年齢に応じて支給月額が変わります。手当をそのまま積立に充てる場合の詳しい試算データは、児童手当をこどもNISAで積み立てた場合の試算で確認できます。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品の購入を勧めるものではありません。制度や各金融機関のサービス内容は変更される場合があります。最新の情報は金融庁および各金融機関の公式サイトでご確認ください。
