2023年までにNISAを始めた方は、現在のNISAへ何か移行手続きが必要なのか気になりますよね。金融機関からの通知を見て、自分の保有資産がどう扱われるのか確かめておきたい方も多いはずです。
この記事の結論
※現在の制度では「つみたて投資枠」という名称です。ただし2023年までに購入した分は、別枠として引き続き管理されます。
結論として、旧口座で保有している商品についての移行手続きは一切不要です。過去に購入した商品を新制度の口座へ直接移管することはできない仕組みとなっているためです。所定の非課税期限が来るまでは、そのまま税金がかからない状態で保有し続けられます。
今後対応が必要かどうかは、保有している制度の種類によって異なります。
- 旧「つみたてNISA」の保有分:売却しない限り、期限まで手続き不要
- 旧「一般NISA」の保有分:非課税期限までに「売却する」か「特定口座等へ移す」かを判断する
- 「ジュニアNISA」をお持ちの場合:取り扱いルールが別途定められている
旧一般NISAの期限は購入年ごとに決まっており、例えば2022年買付分は2026年12月31日までです。一方、旧つみたてNISAは非課税期間が20年間あるため、2018年買付分であっても2037年12月31日まで非課税で保有可能となっています。
2023年までの一般NISAの分がある人は買った年ごとの期限の表へ。ジュニアNISAの口座がある人はジュニアNISAの口座の扱いへ。
「旧NISAから移管手続きが必要?」と勘違いしやすい2つの要因
過去の資産を新NISA口座へ直接移管することは制度上できません。特別な移管手続きも存在しないためご安心ください。
本記事では、2023年までのNISA口座を「旧口座」と表現します。
「自分も何か手続きをしなければならないのでは」と不安になるのは自然な流れです。そう思いやすい背景には、次の2つの理由があります。
要因1:以前は翌年の枠へ移す「ロールオーバー」が存在したため
過去の制度では、非課税期間の終了時に翌年の新しい枠へ資産を移す「ロールオーバー」という手続きが存在していました。しかし現行制度では、旧口座から新制度の枠へのロールオーバーは認められていません。
金融庁の公式案内でも、旧口座の資産をそのまま新NISAへ移管することはできないと明記されています。
要因2:制度がリニューアルされたことで、更新手続きが必要だと錯覚しやすいため
NISAは2024年1月に抜本的な改正が行われました。大型のリニューアルと聞くと「古い契約から新しい契約への切り替え手続きが必要なのでは」と考えてしまいがちです。
実際には移管自体ができないルールとなっているため、手続きそのものが用意されていません。
旧口座の資産は新NISAへ移せないが、期限まで非課税のまま保有できる
旧口座と新制度の枠は完全に「別枠」として並行管理されます。
旧口座の資産は、新NISAの「生涯投資枠」を圧迫しない
2023年までの旧口座で買い付けた資産は、新NISAの生涯非課税限度額(1800万円)とは切り離して管理されます。
つまり、旧口座に資産が残っていても、新NISAで使える枠が減ることはありません。過去の資産を無理に売却することなく、新制度での積立をフルに活用できます。
旧口座での新規買付は終了。ただし保有や売却は自由に行える
旧口座を利用して新たに商品を購入することはできなくなりました。しかし、現在保有している資産については、期限まで持ち続けることも、資金が必要になった時点で途中売却することも自由です。
焦って手放す必要はなく、ご自身の資産運用プランに合わせて保有して問題ありません。
2023年枠を利用していた場合、新NISAの枠が自動開設されている
旧口座で2023年分の投資枠を利用していた方は、同じ金融機関内に「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が原則として自動開設されています。改めて開設手続きを踏むことなく、そのまま新NISAを利用可能です。
正しく開設されているか不安な方は、証券会社のマイページで現在の枠状況を確認してみましょう。
※金融機関を変更する場合でも、旧口座の資産を変更先の金融機関へ移すことはできません。金融機関の変更手順についてはNISA口座の金融機関を変える方法をご覧ください。
旧「一般NISA」は期限を迎えると課税口座へ移行。まずは終了年を確認しよう
非課税期限は購入した年ごとに異なり、例えば2022年買付分は2026年12月31日、2023年買付分は2027年12月31日までとなります。
年別の非課税期限一覧(確認用タイムスケジュール)
旧制度の一般NISAで投資した商品は、最長5年間の非課税期間が終了すると課税口座へ移されます。保有している銘柄の購入年を下表と照らし合わせてみましょう。
| 購入年 | 旧「一般NISA」の非課税期限 | 旧「つみたてNISA」の非課税期限 |
|---|---|---|
| 2018年 | 2022年12月31日(終了済) | 2037年12月31日 |
| 2019年 | 2023年12月31日(終了済) | 2038年12月31日 |
| 2020年 | 2024年12月31日(終了済) | 2039年12月31日 |
| 2021年 | 2025年12月31日(終了済) | 2040年12月31日 |
| 2022年 | 2026年12月31日 | 2041年12月31日 |
| 2023年 | 2027年12月31日 | 2042年12月31日 |
出典:金融庁 2023年までのNISA/国税庁 タックスアンサー No.1535(2026/10/23時点)
※2021年以前に旧一般NISAで購入した分は、すでに非課税期間が満了しています。
何もしなければ課税口座へ自動移管。移行時の時価が新しい取得価格になる
非課税期限を迎えるまでに売却手続きを行わなかった場合、商品は自動的に特定口座(特定口座がない場合は一般口座)へと払い出されます。
この際、移行した時点の時価が新しい買付価格(取得価額)として再設定されます。移管後の税金計算の詳細はNISAに税金はかかる?確定申告は必要?で解説しています。
期限を迎える前に「売却」するか「課税口座で継続保有」するかを選ぶ
一般NISAの期限が近づいた場合の対応方針は、主に次の2通りです。
| 選択肢 | 発生する事象 | 税務上の取り扱い |
|---|---|---|
| 期限内に売却する | 売却代金を現金で受け取る | 非課税期間内の売却のため、利益に税金はかからない |
| 課税口座へ移管して保有する | 期限到来時に特定口座等へ自動で移行される | 移管時点の時価で購入したとみなされ、その後の値上がり分に課税される |
出典:金融庁 2023年までのNISA/日本証券業協会/国税庁(2026/10/23時点)
旧「つみたてNISA」の保有分は、20年間そのまま放置でOK
旧つみたてNISAは非課税期間が20年と長いため、直近で焦って対応する必要はありません。
初期の2018年買付分でも期限は2037年末。長期運用をそのまま維持できる
旧つみたてNISAの制度開始年である2018年に購入した分であっても、非課税期限は2037年12月31日まで残されています。
期限が来るまで売却せずに運用を続ける場合、旧口座に関して必要な手続きはありません。
旧口座の資産を維持・売却しても、新NISAの枠には影響しない
前述の通り、旧制度の保有分は新NISAとは別の枠組みです。旧口座の商品をそのまま保有していても、途中で売却して利益を確定させても、新NISAの生涯上限枠が増減することはありません。
新NISA口座側で、積立設定が正常に稼働しているか1度確認しよう
旧口座の確認が完了したら、新しい積立が新制度側で問題なく動いているかをチェックします。
旧口座の設定が引き継がれているかどうかは、金融機関や商品ごとに異なる
旧つみたてNISAの設定が自動的に新NISAへ引き継がれたケースもありますが、対象銘柄や各社の仕様によっては設定が引き継がれず停止している場合があります。
証券口座にログインし、積立設定状況の画面で稼働状態を確かめておきましょう。
もし積立が止まっていれば、新NISA口座側で再設定を行えば完了
積立がストップしていた場合は、新NISA口座側で改めて銘柄と金額を指定して積立を設定します。旧口座の資産はそのまま残り、新しく設定した分は新NISAの枠として順調に積み上がっていきます。
つみたて投資枠では年間最大120万円まで投資可能です。
次にやること
積み立てる金融機関をこの機会に見直したい人は、次に口座の選び方を確認します。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品の購入を勧めるものではありません。制度や各金融機関のサービス内容は変更される場合があります。最新の情報は金融庁および各金融機関の公式サイトでご確認ください。
