NISAを調べて、枠が2つあると知り、手が止まった人もいますよね。成長投資枠も使わないといけないのか、迷う人は少なくありません。
この記事の結論
成長投資枠は、つみたて投資枠と同じNISA口座の中に用意されている2つ目の枠です。積立はもちろん、好きなタイミングでの「まとめ買い」も可能です。
つみたて投資枠の年間上限を12か月で割ると、月あたり10万円になります。成長投資枠を使うべきかは、積立額の規模によって異なります。
- 毎月の積立がこの額に収まる人は、つみたて投資枠だけで十分
- この額を超えて積立投資をしたい人は、超えた分を成長投資枠で行う
- 貯金やボーナスをまとめて投資に回したい場合、まとめ買いができるのは成長投資枠のみ
- 個別株を買いたい人は選び方が異なるため、専用ページで確認する
成長投資枠を使わなくてよいかだけ知りたい人は使わなくてかまわない条件へ。
「成長投資枠も使うべき?」と迷いやすいのは、年間上限額が大きく提示されるため
枠が2つあるのは買い方と商品のバリエーションを持たせるためであり、両方を使うことが必須なわけではありません。
制度の説明を読むと、2つの枠が並べて紹介されるため「両方使わなければ」と迷いがちです。しかし、実際に両方を使うかどうかは自分の目的に合わせて自由に決めることができます。
年間の合計枠が大きく示されるため、使い切るのが前提のように見えてしまう
2つの枠を合わせると、1年間で最大360万円まで投資が可能です。この数字だけを見ると、すべて埋めるべき目標のように感じてしまうかもしれません。
しかし、金融庁も「どちらかの枠しか使わないことも可能」と明記しており、決して使い切る必要はありません。
「成長」という名前から、値動きの激しい商品や株専用の枠だと誤解されやすい
成長投資枠では、株式だけでなく投資信託も購入できます。つみたて投資枠と同じように、毎月コツコツと積み立てる設定も可能です。
名前から受ける印象ほど、特殊でハードルの高い使い方しかできないわけではありません。
2つの枠を別々に申し込む必要があるように見える
NISA口座を開設すると、自動的につみたて投資枠と成長投資枠の両方が設けられます。枠ごとに別々の口座を開設する手間はかかりません。
成長投資枠とは?(積立だけでなく、まとめ買いもできる柔軟な枠)
2つの枠の主な違いは「買い方」「対象商品」「上限額」の3点です。
これら2つの枠は、同じ1つのNISA口座の中に共存しており、同じ年に両方を併用することが可能です。
成長投資枠は積立でもまとめ買いでも使えるが、つみたて投資枠は積立専用
つみたて投資枠は、あらかじめ銘柄を決めて定期的に一定額を買う「積立」に特化しています。
一方、成長投資枠には買い方の制限がありません。タイミングを見て一括でまとめて買うことも、毎月積み立てることも自由に選べます。
つみたて投資枠の対象商品が絞られているのに対し、成長投資枠は幅広い
つみたて投資枠で購入できるのは、長期・分散投資に適していると国が認めた投資信託(ETF含む)のみです。詳細はつみたて投資枠の記事で解説しています。
対して成長投資枠では、上場株式・ETF・REIT(不動産投資信託)・投資信託など幅広い商品を購入できます(※毎月分配型の投資信託などは対象外)。
一生で使える枠のうち、成長投資枠で使える金額には独自の上限がある
一生で使える枠(非課税保有限度額)全体の中で、成長投資枠として使える金額には上限が設定されています。つみたて投資枠にはこのような制限(内枠)はありません。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間の上限 | 120万円 | 240万円 |
| 買い方 | 積立のみ | 積立もまとめ買いも自由 |
| 一生で使える枠のうち使える上限 | 1800万円の全額まで利用可 | 最大1200万円まで |
出典:金融庁 NISAを知る/金融庁 よくある質問/国税庁 新NISAのあらまし(2026/10/23時点)
※一生で使える枠(1800万円)は、2つの枠を合わせた上限です。
毎月の積立額が月10万円に収まるなら、成長投資枠は無理に使わなくてOK
判断の基準はシンプルに「毎月いくら積み立てたいか」という点に尽きます。
毎月の積立が月あたりの上限内なら、つみたて投資枠だけで完結する
毎月の積立額が月10万円(年間120万円)までなら、つみたて投資枠だけで十分に収まります。
投資信託の積立だけで資産形成を進めるなら、成長投資枠をあえて使わなくても運用上は全く困りません。
成長投資枠を使わない年があっても、一生で使える枠そのものは減らない
一生で使える枠は、実際に買ったときの金額(簿価)で計算されます。使わなかった年があっても枠が消滅したり減ったりすることはないので安心してください。仕組みはNISAの上限はいくら?で解説しています。
枠を2つ使うと積立設定が分かれ、見直す際の手間が増えてしまう
両方の枠で積立を行うと、毎月の積立設定が2箇所に分かれます。後から積立額を変更しようとした場合、両方を見直す必要が出てきます。
つみたて投資枠の範囲内に収まる金額であれば、1箇所にまとめておく方が管理は格段にシンプルになります。
成長投資枠を活用すべきなのは「積立額を増やすとき」と「まとまった資金を入れるとき」
どちらの場合も、つみたて投資枠での積立はそのまま継続しつつ、成長投資枠を「追加」する形で利用します。
月10万円の上限を超える分は、成長投資枠を使って積み立てる
楽天証券、SBI証券、マネックス証券などの主要ネット証券では、成長投資枠でも投資信託の積立設定が可能です。上限を超える分については、成長投資枠の積立に回すことができます。
ただし、成長投資枠では毎月分配型の投資信託などが対象外となるため、積み立てたい銘柄が対象かどうかを事前に確認しましょう。
貯金やボーナスなどを一括で投資したいときは、まとめ買いができる成長投資枠を使う
つみたて投資枠は積立購入しかできないため、まとまった資金を一度に投資したい場合は成長投資枠の出番です。
もちろんまとめて買う場合も、年間に使える金額は成長投資枠の上限(年間240万円)までとなります。
個別株を買いたい場合は選び方や証券会社の比較基準が変わるため、専用ページで確認を
成長投資枠では個別の株式も購入できます。しかし、銘柄の選び方や適した証券会社の比較ポイントは投資信託の積立とは大きく異なります。
成長投資枠で個別株に挑戦したい人はNISAで買う個別株の選び方をご覧ください。
まずは「つみたて投資枠」の設定から始め、必要になったタイミングで成長投資枠を追加しよう
毎月の積立からスタートする場合、最初は「つみたて投資枠」の設定だけで十分です。成長投資枠は後からいつでも追加できます。
口座を開設すれば自動的に両方の枠が用意され、1つの口座内で使い分けられる
NISA口座は1人1口座が原則です。口座を開設すると、その中につみたて投資枠と成長投資枠の両方が自動的に設けられます。
2つの枠を別々の金融機関に分けることはできないため、証券会社を1つ選べば両方の枠の使い先も決まります。
成長投資枠は、積立額を増やしたくなった時点で設定を追加すればよい
NISAの2つの枠は、口座開設の届出書を提出した日から設けられます(※証券会社によっては税務署の確認完了まで買付制限がある場合があります)。
用意された成長投資枠は、無理に使わずそのまま置いておいて構いません。
投資に慣れて積立額を増やしたくなった時点で、改めて成長投資枠の積立を追加設定すれば問題ありません。まずは「つみたて投資枠」での毎月の設定を完了させましょう。
次にやること
使う枠のイメージが湧いたら、次は積立を設定する口座を選びます。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品の購入を勧めるものではありません。制度や各金融機関のサービス内容は変更される場合があります。最新の情報は金融庁および各金融機関の公式サイトでご確認ください。
