調べるたびに名前や上限の数字が違って見えて、どれが今の制度なのか迷いますよね。この記事では、今の積立の枠で何ができるかを順に確かめます。
この記事の結論
つみたて投資枠は、国の基準を満たした投資信託を積立で買うための専用枠です。
1年に使える上限は120万円で、利益に税金がかからない期間は無期限となっています。
使い方については、現在の状況や目的によって以下のようになります。
- 旧制度(つみたてNISA)を利用していた人は、新しい積立先がこの枠になる(過去に買った分は期限までそのまま保有可能)
- 投資信託を毎月積み立てるだけなら、この「つみたて投資枠」1つで十分対応できる
- 個別株も買いたい場合は「成長投資枠」もあわせて活用する
上限額は使い切るためのノルマではありません。無理なく続けられる金額で積み立てていきましょう。
今の制度をすでに知っている人は「この枠1つで十分か」へ。
名前が混同されやすい理由は、旧「つみたてNISA」の役割が引き継がれたため
2023年までの積立専用制度は、現在のNISAの「つみたて投資枠」に役割が引き継がれています。
※現在の制度では「つみたて投資枠」という名称です。ただし2023年までに買った分は、別の枠として管理されています。
名前の違いで混乱してしまうのは無理もありません。制度が新しく切り替わった上に、ネット上には古い制度の説明がまだ多く残っているからです。
2024年以降、積立の役割は「つみたて投資枠」へ移行した
2023年までの旧NISA口座では、現在は新しく商品を買うことができません。その代わり、積立投資の役割は新しいNISAの「つみたて投資枠」が引き継いでいます。
今のNISAでは、この「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを1つの口座内で同時に使えるようになりました。
古い情報が混在しており、上限や非課税期間が昔の数字のまま読まれやすい
旧制度と新制度では、1年間の投資上限額も非課税期間も大きく異なります。検索で古い記事を読んでしまうと、今とは違う数字で計画を立ててしまう恐れがあります。
最新の数字については、次の見出しの表で確認できます。
旧NISAで買った分は別枠として期限まで保有できるため、慌てて売る必要はない
2023年までの旧NISAで買った商品は、現在の新NISAとは別枠として扱われ、定められた期限までそのまま持ち続けることができます。詳しい扱いは2023年までのNISAからの移行で説明しています。
つみたて投資枠とは?(国の基準を満たす投資信託を積み立てるための枠)
買える商品と買い方があらかじめ絞られており、長期的な積立・分散投資に向く投資信託のみが対象です。
国の厳しい条件をクリアした商品のみが対象。長期投資に向いている
この枠で購入できるのは、国が定めた基準を満たす投資信託(ETFを含む)のみです。上場株式やREIT(不動産投資信託)は対象外となります。
対象となる投資信託には、主に次のような条件が設けられています。
- 信託契約期間が無期限、または20年以上であること
- 毎月分配型ではないこと
- ヘッジ目的などを除き、デリバティブ取引を行わないこと
- 販売手数料が0%であること(ETFは別条件)
- 信託報酬(管理費用)が一定水準以下であること
とくに金融庁が指定する指数に連動する投資信託の場合、信託報酬の上限が厳格に決まっています。国内投資なら年0.5%以下、海外を含むなら年0.75%以下です。
指数に連動しないアクティブ運用の投資信託にも、純資産額や運用実績に関する別の厳しい条件が課されています。金融庁が公表している対象商品の本数は以下の通りです。
| 項目 | 本数 |
|---|---|
| つみたて投資枠の対象商品 | 377本 |
出典:金融庁「つみたて投資枠対象商品の概要について」(2026/10/23時点)
買い方は「積立」のみ。一度設定すれば自動で定期的に買い付けられる
この枠を利用する場合、あらかじめ銘柄と金額を決め、定期的に買い続ける契約を結ぶ必要があります。原則として「毎月」などの設定になり、年に1回だけの買い付けは認められていません。
一度設定してしまえば、毎回自分で注文を出す手間はかかりません。
非課税期間は「無期限」。売却のタイミングを焦らず、長期保有が可能
利益に税金がかからない非課税期間は無期限です。「あと何年で売らなければいけない」といった期限がないため、自分のライフプランに合わせてじっくり保有できます。
上限と期間のまとめは以下の表の通りです。
| 項目 | つみたて投資枠 | NISA全体 |
|---|---|---|
| 1年に使える上限 | 120万円 | 360万円 |
| 一生で使える枠(非課税保有限度額) | この枠だけで1800万円まで使える | 1800万円 |
| 利益に税金がかからない期間 | 無期限 | 無期限 |
出典:金融庁 NISAを知る/よくある質問(2026/10/23時点)
※NISA全体の1年の上限は、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせた合計額です。
1年の上限は「使い切る目標」ではなく、あくまで可能な範囲の上限額
年間上限額にとらわれず、月当たりに換算した範囲内で毎月の積立額を決めれば問題ありません。
年間上限を12か月で割って月あたりの目安を出し、無理のない範囲で設定しよう
つみたて投資枠の1年の上限である120万円を12か月で割ると、月あたり10万円となります。
上限まで使い切らなくてもペナルティはありません。使わなかった年の扱いや、一生で使える枠の詳しい計算方法は、NISAの上限はいくら?で解説しています。
投資信託の積立がメインなら、「つみたて投資枠」だけで十分に対応可能
成長投資枠が必要になるのは、個別株を買いたいときや、つみたて投資枠の上限を超えて投資したいときです。
対象の投資信託から選ぶだけなら、成長投資枠を無理に使う必要はない
2つの枠は同時に使えますが、どちらか一方だけに絞ることも自由です。投資信託の積立だけでコツコツ資産形成を目指すなら、「つみたて投資枠」だけでも一生で使える枠(1800万円)を全額使い切ることができます。
個別株を買いたい、または積立額を増やしたい場合は「成長投資枠」と併用する
個別株はつみたて投資枠では購入できず、成長投資枠を利用する必要があります。2つの枠は同じNISA口座内で併用できますが、別々の金融機関に分けることはできません。詳しい使い分けは成長投資枠とは?で説明しています。
具体的な銘柄選びは、枠の使い方が決まってからゆっくり考えれば間に合う
この記事では個別の商品名には触れませんが、最初の1本をどのように選ぶべきかについては、NISAで最初に買う1本の決め方のページで詳しく解説しています。
次にやること
この枠で積み立てると決めたら、次は積立を始める口座を選びます。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品の購入を勧めるものではありません。制度や各金融機関のサービス内容は変更される場合があります。最新の情報は金融庁および各金融機関の公式サイトでご確認ください。
